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鍋復権 不景気で“生活防衛” 家庭回帰でだんらん(産経新聞)

2010-01-09

 厳寒の正月を迎えて「鍋料理」のシーズンが本格化したが、今年は例年に比べて6割近くの家庭で食材費が手ごろな鍋が食卓に並ぶ機会が増え、食の“家庭回帰”が進む傾向がみられることが、主婦を対象にしたアンケートで分かった。百貨店の「初売り」でも高額な福袋の売れ行きは例年に比べ鈍く、同調査からは、不景気のために支出を抑える「生活防衛」の意識が強まっている実態が浮き彫りになった。だが一方で、食卓を囲む家族のだんらんが復権しそうな明るい側面も垣間見えている。

 調査は大手食品会社「ミツカン」が実施。回答を得た東北、関東、近畿、九州で子供を持つ20~50代の主婦416人のうち、28・1%が、今年は例年より鍋料理が「増えそう」と答え、「やや増えそう」(29・8%)と合わせると、6割近くの家庭で鍋を囲む機会が増える見込みだ。

 理由(複数回答)には、世相も反映している。トップは「食事の準備や片づけを簡単にしたい」(70・1%)だったが、「食費を節約したい」が過半数の53・1%で第2位。約25%が「家族からのリクエストが増えた」、約19%が「家族がそろうことが多くなった」ことを理由にあげた。

 同社は「生活防衛の意識が表れている。不景気で外食が減って家庭回帰の傾向が高まり、鍋のおいしさや、家族だんらんの楽しさが再認識されつつある」と分析する。食を通して「幸せ」を問いかける懐かしいテレビCMも“復活”した。「キッコーマン」は明石家さんまさんを起用。昭和61年に明石家さんが同社のCMで歌った「♪幸せって何だっけ、何だっけ」のフレーズに乗せ、新製品のCMを放映している。

 同社は「23年前は経済が元気で浮かれた気分の中、逆説的に幸せの意味を問いかける企画だった。今回は、不景気の中で、おいしいしょうゆが食卓にある幸せをPRしたかった」と説明。経済評論家の荻原博子さんは「不景気で収入も減り、お金がなくても幸せになれる価値観が求められている。家族が食卓を囲む幸せが見直されるのは素晴らしいこと」と話している。

 西武百貨店によると、初売りでもハムなどの食品や鍋料理の福袋が人気で、「内食志向を楽しんでいるようだ」という。

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